サーバー障害とは?原因や日々の対策、発生時の具体的な対処法を解説

企業のシステム環境内で稼働するサーバーにトラブルが発生すると、業務に多大な影響を及ぼします。サーバー障害はさまざまな原因で起こり、適切な対処ができなければ企業にとって大きな経済的・社会的損失になりかねません。サーバー管理者はサーバー障害について正しく理解し、適切な対策を行う必要があります。本記事では、サーバー障害の原因やリスク、回避するための予防策、発生した場合の対処方法などについて詳しく解説します。

サーバー障害とは

サーバー障害とは、稼働中のサーバーに何らかの原因で異常が起こり、正常な動作ができなくなることです。サーバー障害が発生すると、サーバーが提供するサービスにトラブルが発生したり機能が停止したりする場合があります。そのため、サーバー障害はユーザや企業にとって大きな影響を及ぼす要因となります。

サーバー障害の原因

サーバー障害が起きる主な原因としては以下のようなものがあります。

ハードウェアの故障
サーバーを構成する物理的なパーツが故障して正常に動作しなくなるケースです。24時間稼働するサーバーは各パーツが経年劣化しやすく、適切な環境でなかったり長期間交換していなかったりする場合に故障しやすくなります。また、地震や水害などの自然災害の影響で故障することもあります。

ソフトウェアの不具合
サーバーにインストールしているOSをはじめとしたソフトウェアの不具合もサーバー障害の原因となります。設定変更やメンテナンスを行った際に発生することが多いため、こうした作業を行う際は影響を少なくするために入念なテストを行うことが重要です。

アクセス集中
サーバーへ処理能力を超える量のアクセスが集中し、過剰な負荷がかかるケースです。リクエストを処理しきれずにサーバーの動作が遅くなる、もしくは一時的に機能が停止する場合があります。

サイバー攻撃
外部からの悪意のある攻撃によりサーバー障害が発生することもあります。代表的なものはアクセス集中によりサーバーがパンクすることを利用し、サーバーに大量のデータを送りつけるDoS攻撃・DDoS攻撃です。ほかにも不正アクセスによって、データの侵害やウイルス感染、改ざんなどの被害を受けてサーバーの稼働に支障をきたす場合もあります。

ヒューマンエラー
開発者やサーバー管理者の人為的ミスにより障害が発生する場合もあります。たとえばコーディングのバグや運用における作業ミスなどです。サーバーに対する十分な知見を持った人的リソースが不足している場合に起こりやすくなります。

クラウドベンダーの障害
たとえばAWSやMicrosoft Azureなど、利用しているプラットフォームで障害が発生し、影響を受けるケースもあります。こうした場合は自社では対処できず、ベンダーによるシステム復旧を待つしかありません。

サーバー障害によるリスク

サーバー障害が発生した際に懸念されるリスクには以下のようなものが挙げられます。

生産性の低下
サーバー障害が発生すると、そのサーバー上のシステムが正常に動作しなくなります。復旧するまでは社員の業務が遅延もしくは停止するため、生産性が低下する可能性が高いです。

経済的損失
サーバーが停止して企業のWebサイトやサービスが通常どおり利用できなくなることで、ユーザの離脱や販売機会の損失につながります。売上に直結するため、経済的損失は大きいです。

信用低下につながる
一時的にでもサービスが利用できなくなることで、ユーザや株主などステークホルダーからの信用低下にもつながりかねません。サーバーの停止が長時間に渡った場合、クレームや賠償問題を引き起こす可能性も考えられます。

サーバー障害の予防策

サーバー障害のリスクは大きいため、未然に防ぐことが重要です。効果的な予防策について解説します。

運用・監視体制の整備

サーバーを安定稼働させるには、サーバーが正常に稼働しているか、障害の予兆はないか監視し、必要があればメンテナンスなどの適切な運用を行う必要があります。サーバーは24時間365日稼働するため、運用・監視体制を整えておくことが重要です。サーバーの状態を定期的にチェックし、異常発生後速やかに通知をしてくれる監視ツールの導入も推奨されます。

サーバーの冗長化

サーバーの冗長化とは、サーバー障害が発生した際にサービスを止めずに継続できるように、予備の設備やシステムを備えておくことです。万が一稼働中のサーバーに障害が発生した場合も、すぐに予備のサーバーに切り替わる構成にしておくことで業務への影響を減らすことができます。

負荷分散

アクセスが集中した場合に一台のサーバーへ過剰な負荷がかかることを回避するため、ロードバランサーなどを導入し、複数のサーバーへ負荷が分散される仕組みを構築しておくことが大切です。

また、CDN(Content Delivery Network:コンテンツ配信ネットワーク)の利用も効果的です。CDNとは、大容量のWebコンテンツを効率的かつスピーディにユーザに配信できるネットワークの仕組みことで、アクセスが分散するためWebサイトやコンテンツの表示に問題が起こりません。

負荷分散は想定外にアクセスが増加した際にサーバー障害を防ぐだけでなく、平常時も処理速度が向上するためユーザが快適に利用できるメリットもあります。

サイバー攻撃への対策

サイバー攻撃を未然に防ぐための対策も重要です。具体的にはサーバーにインストールしているソフトウェアの脆弱性対策や、不正アクセスの検知・遮断、ログ監視などを徹底することが挙げられます。DDoS対策には上位ネットワークでの対策や、DDoS対策を兼ね備えたクラウド型WAFなどが有効です。必要に応じてWAFやIDS・IPSなどのセキュリティ対策ソリューションの導入も検討しましょう。

バックアップの取得

サーバー障害によりデータが損傷する場合に備えて、重要なシステムやデータのバックアップを取得しておきます。サーバーの中でもディスクは故障が発生しやすいため、万が一の事態に備えて別の筐体や外部ストレージ、クラウドへのバックアップなどを行うことで自社のデータ資産を守るようにしましょう。また、クラウドや仮想化環境であればサーバーのイメージバックアップを取得しておくことで、サーバーの復元が容易になるでしょう。

サーバー障害が発生した場合の対処方法

サーバー障害が発生した場合の対処方法は以下の手順の通りです。

1.影響範囲の確認

サーバー障害を検知したら、まずは状況を正確に確認しましょう。どのような異常が発生しているのか、どのサービス・機能でどのような障害が発生しているかを確認し、影響が出る範囲を特定します。特定できる内容が具体的なほど、この後のステップをスムーズに進められ、影響を最小限に抑えることができます。

2.関係者への連絡

影響範囲を確認したら、関係者へ迅速に連絡して状況を伝えます。特に顧客や取引先などの外部まで影響が及ぶ場合は、正しく情報を共有しなければ信頼を失う恐れがあるため細心の注意を払う必要があります。

3.原因の特定・復旧作業

次に、サーバー障害の原因を特定します。切り分けを行い、各レイヤーのどの部分にトラブルが起こっているのかを確認していきましょう。原因が特定できたら、速やかに復旧作業を行います。原因の特定や復旧作業が困難な場合は、専門のエンジニアやベンダーに依頼をします。

4.再発防止策の検討・実施

復旧が完了したら、今後同じような障害が発生しないよう再発防止策を検討し、実施します。今回の障害の検知から復旧までの流れを振り返り、根本的な原因を取り除いて安全な構成・運用体制を実現するための対策を実装します。

サーバーの安定稼働には運用のアウトソースがおすすめ

サーバー障害が企業に及ぼすリスクは大きいため、発生時に迅速に対応できる監視・運用体制を整えておくことが重要です。しかし、他の業務も兼任しているエンジニアが突発的な障害対応を行うことは業務負荷が高く、夜間・休日含め24時間365日迅速に対応できる体制を整えるためには多くのリソースが必要です。

そこでおすすめなのが、サーバー運用業務を代行する専門業者へアウトソースすることです。サーバー運用の豊富なノウハウを持つプロのチームが24時間365日監視を行い、障害にも迅速に対応します。そのため、業務負荷を軽減しつつサーバーダウンのリスクを減らしてサービス品質の向上を実現できます。

「ベアサポート」は、24時間365日お客さまに代わってサーバーの監視・障害対応を代行するマネージドサービスを提供しています。AWSやMicrosoft Azure、その他クラウドサービス、専用サーバー、オンプレミスなど、リモートからアクセスできる環境であればインフラを問わず対応可能です。通常サーバー台数/OS数単位の課金体系が多い運用サービスですが、ベアサポートの「マモル インシデントタイプ」はOS数無制限・定額でご利用いただけます。

自社でのサーバー障害対応が難しい、ベストエフォートの対応を24時間365日体制にしたい、自社エンジニアを障害対応から解放したいなど、サーバー運用に課題をお持ちであればベアサポートにお気軽にご相談ください。

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まとめ

社内のサーバーに障害が発生すると、企業にとってさまざまなリスクを引き起こす原因となります。安定稼働を目指すには、適切な対策をした上で監視・運用体制を整備することが大切です。

社内の業務負荷を軽減しつつ、サービス品質を保つには、サーバー運用業務のアウトソースがおすすめです。ぜひ一度検討されてみてはいかがでしょうか。